尿路結石

尿路結石とは?

尿路とは、尿の通り道のことであり、腎杯(じんぱい)、腎盂(じんう)、尿管、膀胱、尿道をまとめた名称です。このうちのいずれかに結石ができた場合に、尿路結石となります。
尿路結石は、数千年前のミイラからも見つかっており、現在の統計でも、男性の7人に1人、女性の15人に1人の割合で罹患するとされています。尿路結石は、人類にとって非常に身近な古くからの病気です。
激しい腰・背中の痛み、横っ腹の痛み、下腹部痛はよく知られた症状ですが、その他にも吐き気や嘔吐を伴うことがあります。

尿路結石の症状

症状の現れ方は、結石の場所によって異なりますが、腰、背中、横っ腹、下腹部などに突然の激しい痛みが起きたとき、あるいは鼠径部の広範囲の痛み、血尿、吐き気などがある場合には、尿路結石を疑う必要があります。
ただし、腎杯や腎盂の結石の場合は、鈍痛であることが多いようです。

尿路結石の原因

尿路結石の原因には、さまざまなものが考えられます。
以前まで、尿路結石の原因はカルシウムが結石を作ってしまうと言われていましたが、現在ではシュウ酸が大きな原因になることが分かってきました。
シュウ酸は、ほうれん草・お茶(特に玉露、抹茶)・コーヒーに多く含まれており、尿路結石の原因にもなりかねないことから摂取量の注意が必要です。

また尿路結石の原因として、先天性のもの、前立腺肥大症や尿路感染によるもの、水分摂取の不十分、前途の通り食生活を含めた生活習慣の乱れなどが挙げられます。
特に生活習慣の乱れから生じる尿路結石は、一度治療しても生活習慣を改善しないでいると再発しやすく、二度、三度と繰り返す方もいらっしゃいますので、かかりつけ医に必ずご相談をされながら回復に努めることが重要です。

尿路結石の治療

尿路結石なら木下クリニック症状を確認したのち、エコー検査や腎盂造影検査などを行い、結石を確認すれば治療へと進みます。尿路結石の治療では、「保存療法」や「侵襲的療法」が選択されます。なお、手術を伴う治療の場合には、より設備の整った提携病院をご紹介いたします。

保存療法

水分をたくさん摂取して排尿を促し、尿と一緒に結石を排出させます。6~9ミリ程度の結石であれば、3か月以内に排出される可能性が高いとされています。
その他、尿をアルカリ性にする薬を投与し、結石を溶かして排出させる方法をとることもあります。ただし、こちらの方法は、数か月以上の長い期間を要します。

侵襲的療法

結石が10ミリ以上あり保存療法での治療が難しい場合、激しい痛みがある場合には、侵襲的療法を選択します。
侵襲的療法にはいくつか種類がありますが、現在主に行われているのが「体外衝撃波結石破砕術(ESWL)」という方法です。体外で発生させた衝撃波を、体内の結石に集中させ、砕きます。
体外から体内に衝撃波を伝えることで、腎組織が損傷を受け血尿が出ますが、近年では入院を要さないような負担の少ない機器も開発されておりますので、非常に有効な治療法と言えます。

結石の予防について

尿路結石の原因には、生活習慣の乱れや、前立腺肥大症や尿路感染によるものなどがあります。普段の生活において多少の心がけを持つことで、予防効果が期待できます。

バランスのとれた食事と適度な運動

体脂肪率が高い方は、そうでない方に比べて尿路結石が起こりやすいと言われています。バランスのとれた食事と、適度な運動習慣を基本として、肥満を避けましょう。

小まめな水分摂取で1日2リットルを目標に

1日の尿量が2000ml以上になると、結石形成のリスクが下がると言われています。食事以外の水分として、1日2リットルを目指しましょう。
そして水分摂取において重要なのが、その摂り方です。先述した通り、食事以外で、できれば麦茶、ほうじ茶、水道水によって摂取するようにしましょう。
コーヒー、紅茶、緑茶などは適量の摂取に留めてください。また、ミネラル内のカルシウムは、過剰摂取により結石の原因ともなりますので、ミネラルウォーターの飲み過ぎにも注意が必要です。その他、清涼飲料水、ビールなども多量の摂取は控えましょう。
水筒などで日頃から水分を携帯しておくと、「飲まなくちゃ」という意識が働くため、自然に水分摂取量を増やせるかもしれません。また、摂取量が把握しやすいため、目標到達へのモチベーションにもなります。

TEL:072-757-1133
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